コーチングをしているときに
理想の状態を聞いても
うまく出てこない人がいます。
「どんな状態が理想ですか?」
「どうなっていたらいいですか?」
こういった質問はいくつか
用意しているのですが、
それでも言葉が出てこないときに
私がやっていることがあります。
今回はその手法というか、
人の思考の原理のようなものを
お伝えしたいと思います。
私が理想を確認するために
やっていることは
”現状を確認する”
です。
そんなこと?
と思われたかもしれませんが、
少し説明を聞いてください。
人は現状と理想の両方を
同じ広さ・深さ・明確さで
考えているわけではありません。
例えば海外進出を考えている
社長さんがいたとしても、
そのイメージが漠然としていることは
よくあります。
そんなときは
現状を一旦確認した上で、
「その現状が海外進出のときに
どうなってたらいいんですかね?」
「現状からどんなことが整えば
海外進出できるでしょうか?」
「現状から考えて
海外進出するには何が足りないですか?」
という風に質問することで、
理想の状態が明確になります。
そして理想が明確になったら、
またそこから現状を聞きにいく。
「管理職のマネジメント能力が
上がっているのが理想、
という話がありましたが、
現状の管理職はどんな状態ですか?」
「利益3倍が理想という話で考えると
現状の利益率や粗利って
どうなってますかね?」
こんな感じでしょうか。
つまり、
現状と理想を行き来することで、
両方が広く・深く・明確に
なっていくということです。
私のコーチングセッションでは
こういったことを意識してやっています。
特別なテクニックではないですが、
この手の人の思考の原理を分かっておくと
経営者からの相談で
会話が行き詰ったときでもうまく対応できます。
よかったら頭の片隅にでも
知識として置いておいてください。