研修を“やる側”から“組織を動かす側”へシフトする方法

最近、研修講師の方から

「組織開発コンサルタントになりたいのですが、どこから手をつければいいですか?」

という相談をよく受けるので、

今回はその点を掘り下げてみたいと思います。

まず、そもそも研修講師と

組織開発コンサルタントでは

見ている視点が大きく異なります。

例えば、ある会社で社員同士の

仲が悪いという問題が

起こっていたとしましょう。

このとき研修講師の場合は

「コミュニケーション研修を実施して、

スキルを身につけてもらおう」

と考えるかもしれません。

ですが組織開発コンサルタントは、

どこから仲の悪さが

発生しているのかを考えます。

・お互いの強み弱みや長所短所を理解していない

・ルールが不明確で立場の強い部署がその場で勝手に決めている

・お互いがどんな仕事をどれぐらい抱えているか把握する機会がない

・目的や目標が不明確で人を責める組織文化になっている

など、

組織開発コンサルタントは

表面に見える問題の奥にある

構造的な問題を見つけ出し、

そこに手を入れていきます。

違いはこれだけではないですが、

これは両者の大きな違いです。

では

組織開発コンサルタントになるために

具体的に何から始めればいいのか。

私がお勧めしているのは

システム思考を学ぶことです。

システム思考とは、要は、

私たちが問題の原因だと思うことの

更に奥にある真の原因を

見つけ出す思考を指します。

なぜこの問題が起きているのかを

考えるときに、

「誰かのせいだ」

「〇〇が足りないからだ」

という単純な原因探しではなく、

例えば

・今のビジネスモデルでは

途中のAという工程に

ボトルネックができやすい、

だからそこを担当してる

BさんやCさんがいつも悪者にされてしまう

・各部署ごとの評価基準が

明確じゃないために、

各々がズルいとか羨ましいという

感情を持ってしまう

といった風に考えるわけです。

このシステム思考の視点を持つことで、

研修だけでは解決できない

もっと組織の問題が

見えてくるようになります。

そうすると自然と、

「この問題を解決するにはどんな構造に変えていけばいいだろうか」

という発想が生まれてくるわけです。

研修講師としての経験は

決して無駄にはなりません。

むしろ研修の現場で

様々な組織を見てきた経験は、

組織開発コンサルタントとしても

大きな財産になります。

ぜひ研修講師の次のキャリアとして

組織開発コンサルタントを

目指してみてください。

システム思考を学ぶことで

きっと自分自身にも良い気づきが

得られると思います。