やる気を引き出せる研修講師と引き出せない講師の決定的な違い

前に研修参加者のやる気が低い

という問題について話しましたが、

今回はまた違った視点から

理解を深めてみましょう。

参加者のやる気がないように見えるとき、

私たちは「氷山の下」を見る必要が

あると思っています。

ここで言う氷山とは、

システム思考の氷山モデルのことです。

氷山モデルは

・できごと

・パターン

・構造

・メンタルモデル

という4層で物事を捉える

フレームワークです。

例えば研修の場で、

参加者が消極的な態度を

見せているとしましょう。

これは氷山でいうと

水面上に出ている部分、

つまり「できごと」の層です。

多くの場合、私たちは

この見える部分だけを見て

「やる気がない」と

判断してしまいがちです。

ですが実は、その下には

もっと深い層があります。

・この研修に参加することで

自分の評価が下がるのではないかという不安

・これまでやってきたやり方を

否定されるのではという恐れ

・自分の能力の限界が

露呈してしまうのではという心配

こういった感情や思いこみ

(メンタルモデル)が、

氷山の見えない部分で

大きな影響を与えています。

だからこそ私たちは、

「なぜやる気がないように見えるのか」

という理由を、氷山の下まで

掘り下げて考える必要があるのです。

ここで私たち研修講師にとって

重要なのは

「どうすれば参加者は安心して学べるか」

という視点を持つことです。

これは単なる

ファシリテーションのテクニック

ではありません。

学びの場の構造そのものを、

参加者が安心して

チャレンジできる環境にしていく

必要があるということです。

そのために私たちは

仮想体験ゲームを使います。

ゲームという場では、

失敗しても評価は下がりませんし、

むしろうまくいかない経験から

気づきを得られることの方が多い。

こういった「安心安全な場」

作ることで参加者は徐々に

本来の学ぶ意欲を取り戻していきます。

あなたの研修でも、

参加者の態度が気になるときは、

ぜひ氷山の下を見てみてください。

きっと新しい気づきが

得られるはずです。