「社員が成長しないんだよね」
経営者と話していると
よくこんなことを相談されます。
このような場合に私が普段
どんな質問をしていきながら
経営者の思考を整理しているのかを
今回は紹介してみたいと思います。
まず一番基本となるのは
定義の確認 です。
「社員の成長とは具体的に
どのような状態を指しますか?」
「何がどうなっていれば
成長したと感じますか?」
「社員を見て『成長したなー』と
感じるのはどんなときですか?」
ここを確認することで、
経営者の理想とする状態を
明確にしていきます。
主体的に動いている状態を
成長と考える人もいれば、
スキルが身につくことを
成長と考える人もいます。
こういった定義や理想を
明確にすることで、
私たちコンサルタントも
的を絞った話ができるように
なるわけです。
理想が明確になったら
次は現状です。
「社員が成長するための時間は
どれぐらい確保できていますか?」
「社員が成長するための仕組みや
取り組みは何かありますか?」
「社員の成長を邪魔しているもの、
妨げているものがあるとすれば、
それは何だと思われますか?」
こういったことを確認することで、
理想に向けてやるべきこと、
つまりギャップが明確になります。
この時点で経営者からは
「この人と話していると
問題がクリアになって、
何をやればいいかが分かってくる」
と実感してもらえているはずです。
現状と理想のギャップが
明確になってきたら
ギャップを埋めるための
選択肢を提示します。
「ここまでのお話を聞いていて
社員さんに成長してもらうためには
AやBやCが必要ということが
分かってきたと思うのですが、
どれが一番優先でしょうか?」
「この中で今すぐ取り組めそうなことは
ありますか?
「この中で一番効果が大きそうな
取り組みは何でしょうか?」
すぐできることから始めるのか、
少し時間がかかっても
重要なことから取り組むのか、
それは経営者の優先順位によって
変わってきます。
だからこそ私たちは必要に応じて
「Aを選択するとこうなります、
Bを選択するとこうなります」
という風に経営者が
選択しやすくなるような情報を
補足していく必要があるわけです。
最後はやるかやらないか、
やるとすれば私からの提案が
必要かどうかを確認します。
ここまでの流れを丁寧に
行っていれば、
ここで「やらない」と言う
経営者はほとんどいません。
とりあえずは毎月の
経営者コーチングを提案して
関係を継続しながら、
研修や組織診断などは
必要に応じて提案する。
これが私や仲間が実際にやっている
王道の継続契約のステップです。
今回はたまたま
「社員が成長しない」という
相談を取り上げましたが、
どんな相談であっても
やることは変わりません。
ぜひ実践してみてください。