Performance of corporate consulting

法人コンサル【実績】

CASE 01

事業再生

Client

全但バス株式会社/
神姫バス株式会社(兵庫県)

#01

経営破綻の危機に瀕していた
バス会社からの依頼

経営破綻の危機に瀕していたバス会社からの依頼

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ある年、兵庫県北部、豊岡市・朝来市・養父市を中心にした但馬地方でバス運行サービスを行う全但バス株式会社(以下、全但バス)は債務超過で経営破綻の危機に瀕していた。そこで、兵庫県姫路市を中心に同じバス運行サービスを展開している、神姫バス株式会社(以下、神姫バス)が出資し、全但バスの経営再建を行うことになった。

神姫バスから全但バスに出向した再建担当者から依頼があったのは、トップの退任、全但バスが保有していた資産の売却や人員削減など、リストラクチャリングがあらかた終わったあとのことだった。経営的にはまだまだ安定とはほど遠い状況の中、本格的に事業を立て直し、再び成長していくために何をすればよいか、そして従業員の士気を高めるにはどうすればよいか、という相談があった。

#02

事業再生への第一歩は
マインドを変えていくこと

事業再生への第一歩はマインドを変えていくこと

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規模が縮小し、大規模なリストラを行った会社に残って働く従業員たちの精神を想像してほしい。決しておだやかではいられないだろう。まさしく明日は我が身。いつ自分も同じ目に合うだろうか、無事生き残っていけるだろうか…と、先のことを考えて暗い気持ちになるのは当然だ。

しかしそのようなマインドでは、会社が望むような売上や利益を上げ、成長していくことは難しい。もし再生がうまくいかず、全但バスがなくなってしまう事態になれば、そこに暮らす人々、地域への影響も大きく、実際には一つの会社だけの問題ではなくなる。事業が安定し、成長するための具体的な施策を行いながらも、まずは従業員の士気を上げ、自分たち一人ひとりが会社を立て直す、あるいは新しく作っていく、という前向きなマインドに持っていく必要があった。

#03

チームメンバーを導くコーチング

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最初に行ったのは、事業再生プロジェクトを担当するチーム作りだった。会社にとって必要な事業や取組み、新規事業を含め、今後やっていきたいことをチームで話し合って進めていくことだ。具体的な施策例としては、高速バスの運行本数や路線を増やすことや、リピーターを増やすためにポイントカードを発行するなど。それまでになかった広報部をつくり、広報活動にも着手した。

ただ、実際やることは山のようにあったが、マインドとしては自分たちがやれるんだろうか、自分たちがうまくいかなかったらどうするんだろう、といった不安を抱えながら行う事業再生でもあり、現場で責任を持つ立場の社員には大きなプレッシャーがあった。

そこではコーチングを使って、チームをどうやって回していくかを学んでもらい、取り組み方についても個別に相談にのった。さらに、一人ひとりが抱えている不安や不満を吐き出してもらう時間をつくり、問題点をクリアにしていった。

#04

潮目が変わるきっかけは
どこに潜んでいるか分からない

潮目が変わるきっかけはどこに潜んでいるか分からない

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半年ほどチームを中心にさまざまな取組みを行い、うまくいくこともあったが、プロジェクト全体の進捗は停滞気味で、期待していたほどの業績には繋がらなかった。事業再生プロジェクトは、通常業務のかたわらで行うことでもあり、そのうち、チームのミーティングに忙しくて出席できない社員も増え、チームは崩壊寸前となっていた。その場面で、危機感を持った社員のひとりから、1つの提案があがった。

全但バスがある但馬地方では、「但馬・食文化まつり」という、地域をあげての大きなイベントがある。年によって開催場所は変わるが、その年は但馬ドーム(豊岡市)で行った。当初、全但バスは会社として参加する予定はなかったが、何か皆でやれることをやってみようと、そのひとりの社員の提案から始まり、ブースを出すことに決めたのだ。

プロジェクトチームのメンバーで始まった企画だが、話を聞いた他の人たち、プロジェクトに入ってない社員たちが手伝いたい、と少しずつ参加者が増えていった。そのうち、ボランティアを含め全社をあげて取り組むプロジェクトになった。結果的にこのイベントへの参加がひとつの大きなうねりとなり、会社が変わっていくきっかけとなったが、もともと参加する予定はなかったイベントである。潮目が変わるポイントはどこに潜んでいるか分からない。

#05

経営危機から脱し、ついに雇用創出へ

経営危機から脱し、
ついに雇用創出へ

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イベント当日は、プロジェクトに直接関わっていないバスのドライバーなどにも声をかけ、それまで地味に続けていた広報活動も効果を発揮。全但バスのブースには沢山の人が集まった。その様子を見た地域の人たちから「頑張ってるんやね」「暗いニュースが多いけど頑張ってね」といった声がかかった。全但バス経営危機については、地域の人たちも知るところであり、その状況を知った上であたたかい言葉をくれる人たちに社員は励まされた。

地域の人たちと交流を持ったことで、自分たちがやらないといけない、と一人ひとりの意識がハッキリと変わった。そして社内の雰囲気もガラッと変わった瞬間だった。忙しいプロジェクトリーダーを気遣って、自ら代わりに業務を担う社員が出てきたりと、お互いがフォローし合うような関係性ができ、そのおかげで停滞していたプロジェクトも活発に動き始めたのだ。

コーチングファームジャパンがコンサルタントとして関わってからは9カ月ほどが経っていた。最後の慰労会で全但バスの社長が語った言葉、「会社が変わり始めている。リーダーもすごくよくやってくれているから、これでやっていけそうだ」と、その言葉どおり、その後全但バスは順調に業績を伸ばし、新規事業を立ち上げた際には、新たに人を雇うことができたそうだ。全員が辛い思いを抱えながらも頑張ってきたことが報われた瞬間だった。

CASE 02

新製品開発/
新規事業の創出

Client

中部地方の農業機器部品製造会社

#01

新規事業が行き詰まった
会社からの依頼

新規事業が行き詰まった会社からの依頼

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中部地方に本社を構えるA社は、多種多様な歯車やトランスミッション(変速機)、フロントアスクル(車軸)など主に農業機械の心臓部となるアッセンブリー部品を製造する会社だ。ある年、そんなA社から相談があった。内容は、新規事業として、自社ブランドの新製品開発と販売を行っているが、思うように売れず、プロジェクトが停滞してしまっているとのことだった。このままの状態が続けば、早いうちに事業は止めざるを得ないという状況で、そこをどう打破していくのか、社長を含む役員と、新規事業を担当する部長からの相談があった。

まずは導入としてチームビルディング研修を行い、チームビルディングの観点で事業を成功させるにはどんなふうに考えて行けばよいかを伝え、イメージしてもらうことからスタートした。希望では、売上の規模を10倍にしたい、当初1000万円ほどの売上だったものを1億円に、という具体的な数字が目標として掲げられた。結果から言えば、コーチングファームジャパンが関わった約1年と3カ月の間ではその数値に届かなかったが、約3~4倍、3~4000万円規模にまでには伸長し、成功の土台は作ることができた。

#02

新規事業を軌道に乗せるための重要ポイントとは

新規事業を軌道に
乗せるための重要ポイントとは

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もともとA社は農業機械のパーツを製造するB to Bの会社で、業界ではその名を広く知られていたが、一般消費者の認知度はほぼなかった。そして新規事業として立ち上げた自社ブランド製品はB to Cの商品、つまり一般消費者に向けたアイテムだ。一般家庭にある庭の畑や、小規模な耕作地で使用できる電動耕運機を開発し、売り出したのだ。

マーケティング戦略としては、商品を知ってもらうところから、つまり販売チャネルを増やすことが命題だった。目をつけたのがホームセンターだ。既に関係性があり、直接取引ができるホームセンターには直接取引を持ちかけ、新しい店には販売代理店や商社を通して取引をするという流れを作っていった。

さらにホームセンターでの棚面積をより広く取ってもらうために、電動運搬車など新しい商品を開発し、陳列できるアイテムを増やしていった。農機具の他には、飲食関連の業務用機器の製造まで、徐々に自社オリジナル製品のラインナップを増やしていった。
とはいえ、うまく行っていない新規事業を軌道に乗せるために一番重要なポイントは、マーケティング戦略の遂行や新製品の開発ではない。もちろん必要なことではある。だが最も重要なのは社内での体制づくりなのである。

#03

社内の協力者を増やして、巻き込んでいく

社内の協力者を増やして、
巻き込んでいく

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新製品開発や新規事業がうまくいかないのは、9割以上が社内の体制が機能していないことに起因している。新規事業への理解不足やコミュニケーション不足、どこか他人事と眺めているだけの他部署の社員たち。A社の新規事業は、もともと2人しかいない部署からスタートした。なじみの顧客や販売ルートがあるわけでもない状態から、製品開発、販路拡大まで自分たちの部署だけでは、やれることに限界がある。

とはいえ、会社としても自社ブランド製品の開発事業は初めての経験であったため、どんな体制でどんなふうに進めていくのか、的確な判断ができない。最初から大きなリソースを割けない事情があった。そこで、社内の体制作りにおいてはまず、他の事業部にいる社員の理解を得ることからスタートした。そして、できる限りで協力してもらうのだ。つまり、リソースを借りるということなのだが、社内にはさまざまな技術や情報に精通した、プロフェッショナルがいる。中国で出来上がった製品に不良が見つかった際、製造部門の社員にどうすれば良いか協力を仰いだところ、最終的には修理まで請け負ってくれることになったのはいい例だろう。

#04

チームビルディングの
ノウハウが生きる現場

チームビルディングのノウハウが生きる現場

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そうして他の事業部門を巻き込みながら、一つずつ問題を解決していくことが大きな推進力になっていく。どんどん新製品を作れたのも、設計部門や製造部門に働きかけた結果だ。必要であれば開発体制を見直し、部門長を交代してもらったりと意思決定のできる経営層に働きかけたりもする。社内では、製品を作るスピードを上げてもらうよう動きながら、社外では販売チャネルを増やしていくことを並行して行った。

つまり、新規事業は会社全体で取り組むという流れをどうやって作っていくか、という部分が重要で、社内の人間関係をよい意味で気にせず意見ができる外部コンサルタントが入ることで円滑にいくことがある。

販路を作るといった、対外的なマーケティング戦略の提案や実行というのは、正直に言えばコーチングファームジャパンではなく、他のマーケティング会社などでもできるだろうし、すでにある製品を売るのはそこまで難しいことではないかもしれない。というより難しさの質が違う。ゼロからイチを産むような新規事業においては、会社の体制を作っていくことからがスタートになる。そこにおいては組織開発のチームビルディングのノウハウが生きるのだ。

#05

社内のお荷物事業部から人気事業部へ

社内のお荷物事業部から
人気事業部へ

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すごく良い技術を持っていても事業として成功させるまでに至らない会社が多いのは、組織をどう動かすか、周囲をどう巻き込んでいくのか、という部分で躓くからだ。チームビルディングコンサルタントは、その部分に介入することができる。

A社におけるコーチングファームジャパンのコンサルタントとしての業務は、具体的な販売戦略を共に考えることと同時に、プロジェクト全体統括、営業、製造や設計部門との連携といった内部の体制やチーム作りのサポートを行うことも含まれる。

たたむかどうかの瀬戸際だった事業が約1年と3カ月後には、商品の種類が増え、販路も増え、軌道に乗り始めた。その後、OEMで大手メーカーからオリジナル製品開発の発注を受けたり、一般消費者のニーズをくみ取った家庭用製品を開発したりと事業は順調に成長しているそうだ。
数年後に再会した担当者は「新しいビジネスはこうやって進める、ということが実地で理解できたことがすごく大きかった」、「会社の中では“お荷物事業部”だったのが、今ではこの部署に入って何かやってみたいという若手や中堅社員が多くいて、すごく誇らしい」と話していた。顔には喜びが滲んでいた。

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