社労士をしている卒業生からの相談で、
こんなやり取りがありました。
「テレワーク制度の導入支援をしていますが、
全体像は確認しておいた方がいいですか?」
この質問に対して
私はこう答えました。
「どこに導入するかを
クライアントが想定できていない以上、
ビジョンがない状態です。
そこに全体像の話をしても
次につながりません。
これは教科書としてやることと、
ビジネスとしてやることの
違いです」
多くのコンサルタントは
教科書的に正しいことを
やろうとします。
テレワーク制度を導入するなら、
まず現状分析をして、
全社的な方針を決めて、
段階的に展開していく。
確かにこれは正論です。
でも現実のビジネスでは、
クライアントの予算も時間も
限られています。
全体像を整理している間に
契約期間が終わってしまい、
「あとは自分たちでやってね」
で終わってしまうことも
よくあります。
そこで大切になるのが、
限られた条件の中で
どう成果を出すかという視点です。
全社展開は無理でも、
1つの部署で成功事例を作ることは
できるかもしれません。
完璧な制度設計は無理でも、
実際に運用してみて
課題を洗い出すことは
できるかもしれません。
そしてその過程で
「やっぱり全社的に考えないと
うまくいかないですね」
とクライアント自身が気付けば、
「続きを支援してください」
という話につながります。
つまり、教科書的な正しさよりも、
クライアントが次のステップを
求めたくなるような設計の方が
ビジネスとしては重要なのです。
これは私たち専門家にとって
少し複雑な感情を抱く部分かも
しれません。
本当はもっと根本的に
しっかりやりたい。
でもクライアントの現実的な制約と、
私たちのビジネスの継続性を
考えると、
まずは小さな成功体験を作って、
そこから広げていく方が
結果的にクライアントのために
なることが多いです。
完璧を目指すよりも、
まずは前進することから
始めてみてください。
